【京都】腹が鳴る店だけ 並べた危険な5選

近畿

京都 グルメ & ランチ 完全版

【京都】腹が鳴る店だけ
並べた危険な5選

京都グルメ 実食レビュー / ランチ・ディナー対応 / 京都ラーメン・にしんそば・精進料理・くずきり

京都の飯は、
「上品」というラベルを剥がすと
全部、底知れない熱量を持っている。

京都グルメと聞いて、懐石料理と抹茶スイーツしか思い浮かばない人間がいる。それは正しくない。

1000年以上、この街には人が集まり続けた。人が集まれば飯が生まれる。老舗が根を張り、発祥が積み重なる。京都は「上品な飯の街」じゃない。「飯の発祥が集中している街」だ。

この5店に並べたのは、京都で俺の腹が正直に反応した飯だけだ。観光の添え物じゃない、飯を目的に来い。京都グルメをまじめに攻めたい人間は、ここから始めろ。

01

京都市南区 / 京都ラーメン

本家 第一旭 たかばし本店

1947年創業。豚骨醤油の王道を、朝6時から食わせてくれる。

京都駅から歩いて5分。隣の新福菜館と並んで、行列が途絶えない。それが日常だ。

1947年(昭和22年)創業。豚骨ベースのあっさり醤油スープに、しっとりと柔らかいチャーシューが山盛りで乗ってくる。見た目は豪快で、飲んだら拍子抜けするほど上品だ。でも止まらない。スープの底に旨みが沈んでいて、飲むたびに引き出される。

チャーシュー麺を頼むと、肉がどこまでも続く。京都ラーメンを初めて食う人間に「まず第一旭から」と言われる理由がある。基準になる味がここにある。

朝6時から開いてる。京都の朝飯に、ラーメンを選んでいい。それを教えてくれた店だ。

京都ランチと言わず、朝から来い。並んでも待つ価値がある。

住所
京都市南区東九条小山町3-2
アクセス
JR京都駅より徒歩約5分
創業
1947年(昭和22年)
営業
月〜土 5:00〜24:00(日・祝は短縮)定休:木曜

02

京都市南区 / 京都ラーメン

新福菜館 本店

1938年創業。真っ黒なスープが、なぜマイルドなのか。

第一旭の隣に、さらに古い店がある。1938年(昭和13年)創業。京都ラーメンの草分けだ。

濃口醤油を使ったスープは真っ黒だ。見た目で引いてはいけない。一口飲むと驚く。黒いのに塩辛くない。コクがあって、むしろまろやかだ。油分がほとんどなく、すっきりと飲み干せる。この矛盾が、何杯でも食える理由だ。

絶対に頼むべきものがある。ヤキメシだ。ラーメンのたれを使った黒っぽいチャーハンで、パラパラのごはんに焼豚と醤油ダレが絡んで、ラーメンのスープと交互に食うと止まらなくなる。中毒性が高い。隣の第一旭と食べ比べると、京都ラーメンの奥深さがわかる。

京都グルメで「ラーメンを2杯食う」という経験は、この2店を並べて初めて成立する。

住所
京都市南区東九条小山町31-1
アクセス
JR京都駅より徒歩約5分
創業
1938年(昭和13年)
営業
月〜日 7:30〜22:00 定休:水曜

03

京都市東山区 / にしんそば

総本家にしんそば 松葉 本店

1861年創業。にしんそば発祥の店が、今も南座の隣に立っている。

文久元年(1861年)創業。南座の西隣、祇園四条駅からすぐの場所に、160年以上前から立っている。

1882年(明治15年)、二代目・松野与三吉が「魚は京のだしに合わない」という常識を覆して「にしんそば」を考案した。北海道産の身欠きにしんを甘辛く炊き上げ、京風だしのそばに乗せる。その組み合わせが大人気になり、今では京都名物の代名詞になった。

にしんを一口食ったとき、甘辛い煮汁がほろりとほぐれながらだしに溶け出す。最初はにしんの味、後半はだしが変わっていく。同じ丼の中で2段階の味変が起きる。これが京都のそばだ。

5代目が今も変わらない製法で守っている。160年続く味に、それだけの理由がある。

京都ランチで「発祥の一杯」を食うなら、ここが答えだ。

住所
京都市東山区川端町192(四条大橋東入)
アクセス
京阪本線「祇園四条」駅よりすぐ
創業
1861年(文久元年)
営業
10:30〜21:00(L.O. 20:30)定休:水曜(祝日の場合は営業)
URL
www.sobamatsuba.co.jp

04

京都市右京区 嵐山 / 精進料理

天龍寺直営 精進料理 篩月(しげつ)

世界遺産の庭を眺めながら食う。動物性ゼロの料理が、なぜこんなに深いのか。

嵐山で飯を食うなら、篩月だ。

世界遺産・天龍寺の直営精進料理店。曹源池庭園に隣接した書院で、動物性の食材を一切使わない料理を出す。野菜・山菜・豆腐・湯葉・海草。それだけだ。

一汁五菜「雪」のコースが届いたとき、まず皿の美しさに黙った。素材の色が全部生きてる。箸をつけると、出汁の旨みが静かに来る。押し付けがましくない。でも食べ終わる頃には、体の中から満たされてる。不思議な充実感だ。

窓の外に庭が広がっている。嵐山と亀山を借景にした天龍寺の名庭だ。季節によって飯の味が変わり、窓の景色も変わる。同じ場所に何度も来たくなる。

予約が必要。庭園参拝料が別途かかる。それを込みで考えても、京都グルメの中で「食う体験として最も完成している」のが篩月だ。

住所
京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
アクセス
京福電鉄 嵐山駅より徒歩約5分
営業
月〜水・金〜日・祝 11:00〜14:00(L.O.)定休:木曜
予約
2名以上・2〜3日前までに要予約。庭園参拝料500円別途
URL
www.tenryuji.com/shigetsu

05

京都市東山区 祇園 / 甘味処・和菓子

鍵善良房 四条本店

享保年間(1716〜)創業。葛粉と水だけで作るくずきりが、なぜこれほど深いのか。

祇園のど真ん中に、300年以上続く和菓子店がある。

飯じゃないと思うな。ここは飯だ。食わずに京都グルメを語るな、と言いたい店だ。

鍵善良房の「くずきり」は、葛粉と水だけで作られる。材料が2つしかない。「水を売っている」と皮肉を言われた時代もあったらしい。でもその2つの組み合わせが、他のどこにもない、ぷるぷると透き通ったのど越しを生む。黒蜜を選んで絡めると、葛の香りと蜜の甘みが合わさって、箸が止まらなくなる。

昭和初期、祇園の文人・粋人たちに口コミで広まった。芸舞妓が通い、作家・河井寛次郎や武者小路実篤が通った。店内の調度品が今もその時代を伝えている。

南座に歌舞伎がかかると、着物姿の客で店内が埋まる。その空気だけで、飯がうまくなる。

京都グルメの最後の一手は甘味だ。祇園を歩いたなら、ここで締めろ。

住所
京都市東山区祇園町北側264
アクセス
京阪「祇園四条」駅より徒歩約2分
創業
享保年間(1716〜1736年)
営業
9:00〜18:00(喫茶 L.O. 17:30)定休:月曜

京都グルメ5選 早見表
# 店名 エリア ジャンル
01 本家 第一旭 たかばし本店 京都市南区 京都ラーメン(豚骨醤油)
02 新福菜館 本店 京都市南区 京都ラーメン(濃口醤油)
03 総本家にしんそば 松葉 本店 京都市東山区 にしんそば発祥
04 天龍寺直営 篩月 京都市右京区 嵐山 精進料理
05 鍵善良房 四条本店 京都市東山区 祇園 くずきり・和菓子・甘味

── まとめ。行く順番を断言する。

京都入りした日の朝、まず第一旭新福菜館に行け。2軒とも京都駅から歩いて5分だ。両方食えるなら食え。豚骨醤油と濃口醤油の違いが体でわかる。京都ラーメンの基準がここで決まる。

祇園・四条河原町に移動したら総本家にしんそば 松葉で昼飯を食え。1861年から続く「にしんそば発祥の一杯」は、京都グルメの歴史を丸ごと飲み込める。

嵐山に行くなら篩月は必ず予約を入れておけ。世界遺産の庭を眺めながら食う精進料理は、「京都で食う」という体験の最高地点だ。動物性ゼロでここまで深い味が出ることに、食いながら黙る。

祇園を歩いた後は鍵善良房に入れ。葛粉と水だけで作るくずきりの前では、どんな言葉も邪魔だ。食って黙れ。それだけだ。

京都グルメは、観光の「おまけ」じゃない。飯だけを目的に来ていい。1000年分の飯の歴史が、この街に全部残っている。

 

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