【大阪府】食いすぎて後悔したけど許せる店5選|大阪グルメで理性が崩壊した話

近畿

大阪で飯を食うのは、戦いだ。

たこ焼き、お好み焼き、串カツ、うどん——。メニューを決める前に視界が粉もんで埋まる。道頓堀に一歩入れば匂いが足を引っ張り、新世界では煙が視界を奪う。
大阪グルメに「ハズレ」という概念がほとんど存在しない。それがまた厄介で、どこに入っても腹が張る前に財布が笑う。

「食い倒れ」の語源は冗談じゃない。本当に倒れかけながら食いまわった。
そのなかで「また来る」と腹の底から思った5軒だけ、ここに置いておく。

01元祖たこ焼き 会津屋 本店(大阪市西成区)

たこ焼き発祥 / 1933年創業 / 元祖

たこ焼きの「発祥」と聞いて、どうせ大げさだろうと思ってた。

1933年、会津地方出身の初代・遠藤留吉がラヂオ焼きを改良し、タコを入れて「たこ焼き」と名付けた。その本店が西成・玉出にある。

皿に並ぶのは小ぶりな球体。ソースは一切かかっていない。だしと醤油で味をつけた生地そのものを食えということだ。

一口かじると、外はかすかにサクっとして、中から和風だしがじわっと出てくる。タコの食感がそこに混ざる。シンプルすぎて最初は戸惑う。でも2個目、3個目と食うごとに止まらなくなる。これが「本物」の構造だ。

ソースとマヨネーズで塗り固めたたこ焼きを否定はしない。ただ一度だけ、ここで食ってから判断してくれ。たこ焼きの歴史の起点を、口の中で確認できる。住所大阪府大阪市西成区玉出西2-3-1アクセス大阪メトロ四つ橋線 玉出駅1番出口より徒歩約2分営業時間11:00〜21:00(LO 20:30)年中無休(元旦休み)おすすめ元祖たこ焼き、ラヂオ焼き(牛すじ入り)公式www.aiduya.com

02お好み焼き 美津の(大阪市中央区・道頓堀)

お好み焼き / 1945年創業 / ミシュラン掲載

昭和20年創業。大阪大空襲で焼け野原になった道頓堀で、鉄板一枚から立ち上がった店だ。

行列は覚悟して来い。道頓堀のアーケードに入ってすぐ、看板の前に人が連なってる。でもこれは動く列だ。そんなに長く待たない。

席について、「山芋焼」を頼む。鉄板の前に座ったガリっとした職人が、何も言わずに焼き始める。山芋を使ったふわとろの生地が鉄板に広がって、豚バラ、えび、いか、ミンチ、貝柱が渾然一体になっていく。

切って口に入れると、外の焼き目の香ばしさと中のふわとろが同時に来る。大阪の台所・黒門市場から仕入れた素材の旨みが、噛むたびに出てくる。ミシュランに載るのがわかる。三代続いた理由がわかる。

世界中から客が来て、それでも道頓堀の一軒にこだわり続けてる。その孤高さが、この店の一番の旨さかもしれない。住所大阪府大阪市中央区道頓堀1-4-15アクセス大阪メトロ なんば駅15番出口より徒歩約5分電話06-6212-6360おすすめ山芋焼、美津の焼(豚バラ・えび・いか・ミンチ・貝柱・たこ入り)、モダン焼備考ミシュランガイド掲載店。行列あり、回転早め公式www.mizuno-osaka.com

03日本一の串かつ 横綱 新世界本店(大阪市浪速区)

串カツ / 新世界 / 通天閣前

通天閣が目の前にある店で串カツを食うのは、大阪に来た理由のひとつでいい。

「ソースの二度漬け禁止」。これは大阪の串カツの掟だ。横綱でも当然そうだ。衣はふっくらとして軽い。自慢のオリジナルソースに一度だけ浸して口に放り込む。

牛串、えび、タマネギ、ウインナー、レンコン——。次の串を取るたびに手が止まらなくなる。テーブルに無制限のキャベツが置いてあって、串と交互に食うと胃がリセットされてまた食える。この仕組みが罪だ。

どて焼きも頼め。牛スジをみそとみりんと出汁でじっくり煮込んだそれは、串カツのソースと全然違う方向で旨い。ビールと合わせたら完全に終わる。

新世界の雑多な空気、通天閣のネオン、揚げ油の煙。大阪グルメは「場所ごと食う」ものだと実感する店だ。住所大阪府大阪市浪速区恵美須東3-4-13(通天閣目の前)アクセス大阪メトロ堺筋線 恵美須町駅より徒歩約4分おすすめ串かつ各種(1本100円〜)、どて焼き、ちゃんこ公式www.4527.jp

04道頓堀 今井 本店(大阪市中央区・道頓堀)

大阪うどん / 1946年創業 / だしの名店

「ダシの今井」。それがこの店の別名だ。

昭和21年創業。北海道産の天然真昆布と、九州産のさば節・うるめ節を使い、1日に何度も作り直す。「ダシは鮮度が命」という信念が、70年以上ブレていない。

きつねうどんを頼む。運ばれてきた丼を前にして、まず色に目が行く。関東の濃い茶色じゃない。透明に近い淡い色。すする。——これだ。

昆布とさば節の複雑な旨みが、最初は上品に来て、あとから深みが追いかけてくる。塩気は控えめで、でも決して薄くない。甘く炊いたお揚げがその出汁を吸って、嚙むたびに汁が口の中に広がる。

串カツでギトギトになった胃を、今井のうどんが静かに立て直してくれる。大阪グルメの中で「ホッとする」という感情を最初に持てたのは、ここだった。住所大阪府大阪市中央区道頓堀1-7-22アクセス大阪メトロ なんば駅14番出口より徒歩約5分おすすめきつねうどん、天ぷらうどん、うどん寄せ鍋公式www.d-imai.com

05松葉総本店(大阪市北区・新梅田食道街)

串カツ / 1949年創業 / 立ち食い老舗

昭和24年創業。新梅田食道街で70年以上、立ち食いのカウンターを守り続けてる。

のれんをくぐると、カウンターを囲んだ人の背中が見える。サラリーマンがビール片手に串をつまんでいる。昼でも夜でも、この光景は変わらない。

銀の皿の上には常に出来立ての串カツが並んでいる。「○○揚がったよー!」という掛け声と一緒に新しい串が足される。その声を合図に手が伸びる。

衣は薄くてさくさく軽い。植物油でさらっと揚げてあるから、10本食ってもしつこくない。特注の甘めのソースが素材の旨みを邪魔せず引き立てる。若鶏はカレー粉をまぶして揚げてあり、一本だけで存在感がある。

梅田で大阪ランチをどこにするか迷ったら、ここに来い。財布に優しくて、旨くて、立ち食いの空気が大阪らしい。何も考えずに串をつまんでいると、なぜかすべてがどうでもよくなってくる。住所大阪府大阪市北区角田町5-9 扇会館1F(新梅田食道街内)アクセスJR大阪駅より徒歩約7分 / 阪急大阪梅田駅より徒歩約3分おすすめ牛串120円、えび120円、若鶏210円、カマンベール180円(各税込)備考立ち食いスタイル。キャベツ無料おかわり自由

── 結論。大阪グルメ、どこから行くか。

大阪は「どこを切っても粉もん」じゃない。深く掘れば、だしの哲学がある。歴史がある。それが安値で食える。ここが大阪の本当のやばさだ。

初めて大阪に来るなら、美津のでお好み焼きの本質を叩き込め。道頓堀の喧騒の中でも、鉄板の前は静かだ。

たこ焼きの「正体」を知りたいなら、西成まで足を伸ばして会津屋本店へ行け。ここが起点だ。

新世界に来たなら横綱で串カツとビールを。通天閣と一緒に食う串カツは格別だ。

大阪ランチに疲れたなら今井のうどんで整え直せ。だしが胃を落ち着かせる。

梅田でサクッと飲みたいなら松葉総本店で立ち食い串カツ一択だ。

大阪グルメは「どこに行くか」より「いつ行くか」が問題だ。腹を空かせて来い。それだけでいい。

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