愛媛県グルメをなめてた。
正直に言う。舐めてた。
瀬戸内の魚と鯛めしと、みかんだろ——くらいに思ってた。
違う。この県、飯の密度がおかしい。
ランチを食うたびに何かが崩れていく。
理性が。予定が。帰りの新幹線の時間が。
愛媛県グルメで「また食いに来る」と思わせた5店、全部並べた。
- 鍋焼うどん アサヒ(松山市)― 松山ランチの原点
- 松山鯛めし 秋嘉(松山市)― 鯛めし2種食い比べの聖地
- 重松飯店(今治市)― 焼豚玉子飯の名付け親
- 白楽天 今治本店(今治市)― 創業55年の秘伝タレ
- 鯛や(松山市)― 古民家で食う炊き込み鯛めし
01
鍋焼うどん アサヒ
松山市 / 鍋焼きうどん / 昭和22年創業
最初に言っておく。甘い。汁が甘い。
松山グルメを語るなら、この甘さから逃げるな。
昭和22年からアルミ鍋一本で生き残ってきた老舗。 メニューは「鍋焼きうどん」と「いなりずし」だけ。 迷う必要がない。そういう店が強い。
アルミの鍋が運ばれてきた瞬間、湯気が立ち上がる。 牛肉、油揚げ、じゃこ天、かまぼこ——具が多い。 麺はコシゼロ。でもそれが正解だと気づく。 柔らかく出汁を吸い込んだ麺を、甘い汁と一緒に流し込む。 これは食事じゃなくて、昭和の記憶を食ってる。
売り切れ次第終了。午後には閉まる。
愛媛県ランチで1店だけ選べと言われたら、ここを選ぶ。
| 住所 | 愛媛県松山市湊町3-10-11 |
| 電話 | 089-921-6470 |
| 営業 | 10:00〜16:00(売り切れ次第終了) |
| 定休 | 火・水曜日 |
| アクセス | 伊予鉄道松山市駅から徒歩約10分 |
02
松山鯛めし 秋嘉
松山市 / 鯛めし(松山・宇和島2種) / 大街道エリア
鯛めしが愛媛に2種類あると知らなかった。
松山風は炊き込み。宇和島風は漬け丼。全然違う。
秋嘉はその両方が食える。観光客に優しい店かと思ったら違う。 土鍋で1人前から炊いてくる。注文を受けてから。 それだけで信用できる。
松山鯛めし膳を頼んだ。 鯛の刺身付き、天ぷら付き、サラダ付き。 土鍋の蓋を開けた瞬間の香りで、もう勝ちを確信する。 鯛の脂が米に入り込んでいる。上品な味だが量が食える。 追加の宇和島風も頼んだ。卵と醤油ダレで鯛の刺身を絡める。全然違う旨さ。
愛媛グルメを1食でわからせてくれる店。松山に来たらまずここでいい。
| 住所 | 愛媛県松山市大街道3-5-1 |
| 電話 | 089-909-7652 |
| 営業 | 11:00〜14:30 LO、17:30〜20:00 LO |
| 定休 | 火曜日 |
| アクセス | 電停大街道から徒歩2分 |
03
重松飯店
今治市 / 焼豚玉子飯 / 大衆食堂 / B-1グランプリ優勝
しまなみ海道を自転車で走り切ったやつが、全員ここに向かう。
それが全てを語ってる。
今治グルメの代名詞、焼豚玉子飯の名付け親。 2017年西日本B-1グランプリ優勝。テレビにも何度も出た。 それでも食堂の空気は変わってない。 日曜昼に30人以上の行列ができる。それが正しい。
甘辛いタレがかかった焼豚。その上に半熟の卵黄。 崩して混ぜる。タレと卵黄が絡まった瞬間が人生だ。 継ぎ足し200年のタレとか言ってるレベルじゃない、 長年育てた秘伝タレの深みは、一口で違いがわかる。
タレだけ売ってる。550円から。持ち帰って家で食っても、 現地の感動は再現できない。だから何度も来る。
| 住所 | 愛媛県今治市大正町5-4-47 |
| 電話 | 0898-22-6452 |
| 営業 | 11:45〜13:45 LO、夜18:00〜19:45 LO(火・土・日のみ) |
| 定休 | 月曜日 |
| アクセス | JR今治駅から徒歩15分 / 駐車場11台 |
04
白楽天 今治本店
今治市 / 焼豚玉子飯 / 創業55年
重松飯店と白楽天。今治に来たら両方食え。
それが今治グルメの正解だ。
創業55年。継ぎ足してきた秘伝のタレを守り続けた店。 最近「辛玉」という新メニューが出た。 タレに辛みを加えて特製ラー油で仕上げたやつ。 砥部焼の器で提供してくる。ちゃんとやってる。
甘さとほどよい辛さが一口ごとに重なる。 タレの完成度が高いから、焼豚の脂がしつこくない。 食い終わってから「もう一杯いけるな」と思う。 これが危険な店の定義だ。
今治グルメおすすめの2枚看板の一角。外す理由がない。
| 住所 | 愛媛県今治市常盤町4-1-9 |
| 電話 | 0898-23-7292 |
| 営業 | ランチ 11:00〜15:00 / ディナー 17:00〜22:00 |
| 定休 | 火曜日 |
| 公式 | hakurakuten.net |
05
鯛や
松山市三津浜 / 炊き込み鯛めし / 国登録有形文化財の古民家
松山グルメのとどめはここだ。
三津浜の古民家。文科省の登録有形文化財を店にしてる。 建物に入る前から、もう負けてる気がする。
メニューは「鯛メシ膳」のみ。一択。 丁寧にとった出汁の鯛めし。鯛の刺身付き。小鉢付き。 余計なものが何もない。
炊き込まれた鯛の身がほぐれて米に混ざってる。 出汁の香りが穏やかに広がる。 タイムスリップした感覚とかじゃなく、 ただ単純にうまいものを食ってる幸福感だけがある。
営業は15時まで。火水は休み。 わかりにくい場所にある。それでも行け。 愛媛県グルメの締めにふさわしい一軒だ。
| 住所 | 愛媛県松山市三津1丁目3-21 |
| 営業 | 11:30〜15:00 |
| 定休 | 火曜・水曜(祝日は営業) |
| アクセス | 伊予鉄道三津駅から徒歩約10分 |
断言する。愛媛の飯に負けてくれ。
初日に松山入りするなら「アサヒ」のランチから始めろ。 アルミ鍋の甘い出汁で、この県の飯がどういう県かわかる。
鯛めしは「秋嘉」で松山・宇和島の2種を一気に食え。 今治に行くなら「重松飯店」と「白楽天」をハシゴしろ。昼だけでいい。十分きつくなる。
帰る前に三津浜まで足を伸ばして「鯛や」に寄れ。 古民家の縁側でうまい鯛めしを食って、愛媛県グルメを完走しろ。
また食いに来る理由が5つできた。それが愛媛だ。




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