高知県の飯は、暴力だ。
藁の炎で焼かれたカツオが目の前に来た瞬間、もう終わりだ。思考が止まる。
土鍋でグツグツした鍋焼きラーメンが運ばれてきたとき、「熱いうちに食え」という店のルールに従うしかない。
高知県グルメは、食う側に覚悟を求めてくる。
そういう飯だけを、5店並べた。
高知県民総選挙、高知市エリア1位を2年連続受賞。それが全てを語っている。「高知のかつおのたたき」と言われて真っ先に浮かぶ店だ。
オーダーが入ってから藁に火をつける。目の前でその炎が上がる。焼き上がったたたきは表面がカリッと、中は完全に刺身のまま。藁のほのかな香りが鰹の脂に絡んで、塩で食べると「これが本物か」と体が理解する。
「塩たたき」発祥の店でもある。ゆずと塩で食べる土佐流を、ここで初めて知った人間は多い。観光客向けと思うなかれ。昼間から地元民がビール片手に並んでいるのが、この店の本当の格を示している。
| 住所 | 高知県高知市帯屋町2-3-1 ひろめ市場内 |
|---|---|
| 電話 | 088-820-5101 |
| 営業時間 | 月〜土 11:00〜21:00 / 日 11:00〜20:00 |
| 定休日 | ひろめ市場休館日に準ずる(月1回不定休) |
| 最寄り | とさでん交通 大橋通り電停 徒歩約3分 |
| 価格帯 | 塩たたき定食 1,200円〜/席予約不可(フードコート) |
田中鮮魚店(久礼大正町市場)漁港直送・刺身・たたき/高知県中土佐町久礼
「鰹ソムリエ」と呼ばれる店主がいる。水揚げされたカツオを目利きし、まずいゴシのカツオは絶対に出さない——それだけのことを、何十年も続けている。
久礼漁港の魚市場から大正町市場の店まで、軽トラで5分。朝6時に水揚げされたカツオが昼には食える。そのタイムラグのなさが、他の店との差だ。身の色が違う。弾力が違う。口に入れたとき、温度すら違う気がする。
向かいの食堂「漁師小屋」で、選んだ魚をそのまま食べられるスタイル。ランチは10時から14時半(ラストオーダー14時)。早い時間に行かないと待つ。それだけの店だ。高知ランチの最高到達点を知りたいなら、久礼まで来い。
| 住所 | 高知県高岡郡中土佐町久礼6382(久礼大正町市場内) |
|---|---|
| 電話 | 0889-52-2729 |
| 営業時間 | 店頭販売 9:00〜17:00 / 食堂(漁師小屋) 10:00〜14:30(LO14:00) |
| 定休日 | 水曜日 |
| 最寄り | JR土佐久礼駅 徒歩約5分 |
| 価格帯 | 選んだ魚により異なる(刺身定食 1,500円前後〜) |
橋本食堂鍋焼きラーメン専門/高知県須崎市横町
「日本一熱いラーメン」。そう呼ばれる須崎の鍋焼きラーメンを、全国区にした店だ。高知家の食卓・県民総選挙で高幡エリア2年連続1位。テレビ出演も数知れず。それでも昼の2〜3時間だけしか営業しない。
鶏ガラベースの醤油スープに、細麺、親鶏の肉、ちくわ、生卵。土鍋に全部入れてグツグツのまま出てくる。熱くて食えない、と思ったその3分後が食べ頃だ。スープは飲んでも飲んでも塩辛くならない。最後の一口まで同じ旨さが続く。
メニューはラーメン一択。普通630円、大730円、特大850円。シメにご飯をスープに浸すのが地元流だ。開店と同時に満席になる。遅くとも11時には並べ。
| 住所 | 高知県須崎市横町4-19 |
|---|---|
| 電話 | 0889-42-2201 |
| 営業時間 | 11:00〜14:00(売り切れ次第終了) |
| 定休日 | 火曜・日曜・祝日 |
| 最寄り | 高知自動車道・須崎中央ICから車で約5分/JR須崎駅 徒歩約15分 |
| 駐車場 | あり(無料・普通車14台) |
| 価格帯 | ラーメン普通 630円〜(驚異のコスパ) |
土佐鮨処 おらんく家 本店土佐寿司・郷土料理・皿鉢料理/高知市はりまや町
高知に来て、カツオだけ食って帰る奴がいる。それは半分しか食ってないのと同じだ。「おらんく家」に来て、うつぼの唐揚げを頼め。話はそれからだ。
創業50年超の老舗。その日の朝、沖から揚がった地魚を使った土佐鮨は、ネタが大きく価格が良心的で、しかも鮮度が暴力的だ。カツオのたたきは注文を受けてから藁で焼く本格仕様。皿鉢料理は一人前から注文できる。
うつぼの唐揚げは秘伝の醤油衣でカラッと揚げてある。グロテスクな見た目の先入観は、一口で消える。白身魚より淡白で、皮のコラーゲンがくちびるにまとわりつく。高知ランチの奥行きを知りたいなら、ここでフルコースを食え。年中無休というのも、頼りになる。
| 住所 | 高知県高知市はりまや町2-1-8 |
|---|---|
| 電話 | 088-822-4334 |
| 営業時間 | ランチ 11:30〜14:00(LO13:30)/夜 17:00〜23:00(LO22:00) |
| 定休日 | 無休 |
| 最寄り | とさでん交通 はりまや橋電停 徒歩約5分 |
| 価格帯 | ランチ定食 1,800円〜/夜のコース 3,980円〜 |
| 公式サイト | orankuya.jp |
藁焼き鰹たたき 明神丸 大橋通り店かつおのたたき・テイクアウト対応/高知市大橋通り
明神丸の第二拠点。ひろめ市場店は予約もテイクアウトも不可だが、大橋通り店はお土産用の持ち帰り注文が可能だ。「家でもう一回食いたい」という欲望に応えてくれる。
焼きたての鰹たたきのあの香りを、自分で再現できないことは知っている。それでも、翌日の朝食にあの味を引き継ぎたくなる——そういう中毒性が、明神丸の藁焼きには存在する。
高知グルメを帰宅後も味わい続けたいなら、ここでお土産を確保してから帰れ。藁の香りが染みたたたきを、新幹線や飛行機の中で開ける幸せは格別だ。
| 住所 | 高知市大橋通り(大橋通り商店街内) |
|---|---|
| 電話 | 088-821-8808 |
| 営業時間 | ※要確認(公式サイトにて最新情報を確認ください) |
| テイクアウト | 可(お土産・持ち帰り注文対応) |
| 最寄り | とさでん交通 大橋通り電停 すぐ |
| 公式サイト | myojinmaru.jp |
◼ 断言する。高知県の飯は、来た者だけが知っている。
「明神丸」で藁の炎と向き合え。「田中鮮魚店」で漁港直送のカツオの正体を知れ。「橋本食堂」で土鍋の熱さに黙れ。
「おらんく家」でうつぼと皿鉢で高知の深さを食え。帰り際に「明神丸 大橋通り店」で翌日分のたたきを確保しろ。
高知県グルメはカツオだけじゃない。だが、カツオを食わずして高知を語るな——それだけは言える。太平洋の魚を藁で焼くこの土地の飯は、食った人間にしか理解できない。
※店舗情報は変更になる場合があります。ご来店前に各店舗へ直接ご確認ください。
最終確認:2025年




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